座談会前半

いま、読書会が注目されています。
1 人で本を読むのではなく、みんなで集まって読む。得た知識を自分だけのものにせず、ほかの人々と共有する。
そんな読書会の魅力とは何なのか?
そこで、PhotoReaders.jp では、読書会の動向についても触れている
神田昌典著『2022―これから10 年、活躍できる人の条件』を取り上げた読書会を主催した方々による
座談会を企画しました。
読書会を始めたきっかけや、読書会の運営ノウハウ、さらに、読書会が拓く可能性について、
熱く、熱く、語っていただきました!

参加者:早川雅人さん、木村祥子さん、坂井尚行さん、宮本敦史さん(仮名)
進 行:PhotoReaders.jp 運営事務局

文学について語り合う。ビジネス書を読み、実践する

PhotoReaders.jp 運営事務局(以下、PR)本日はお忙しいところありがとうございます。今日は、読書会に参加され、自らも読書会を主催する皆さんに、読書会の魅力について大いに語っていただきたいと思います。

まずは自己紹介も兼ねて、『2022―これから10 年、活躍できる人の条件』についてどんな読書会を開催されたか、教えていただけますか?

早川初めまして、早川と申します。会社員をやっていますが、先日辞表を出しました。

木村坂井かっこいいー。

早川会社ではウェブマーケティングやコンサルティングをしていたので、フリーになってもそのあたりの仕事を中心にやっていく予定です。

僕は、個人的に読書がすごく好きで、特に村上春樹さんの小説が大好きなんです。ミクシィの「村上春樹の読書会」というコミュニティに参加していて、そこのイベントの読書会に参加していました。読書会というと、通常は1~2 時間程度のものが多いと思いますが、そこは半日くらいガッツリ村上春樹の小説について語る。去年の夏には、軽井沢で 2 泊 3 日の合宿までやりました。

木村本格的! 好きな人にはたまらないね。

読書会の魅力について

早川僕の場合、そうやって文学から読書会に入ったのですが、皆で会話のキャッチボールをしているうちに、話があらぬ方向に飛んでいくことがすごく楽しかった。それで、これはビジネス書でやってもおもしろいのではと思い、昨年ころからビジネス系の読書会にも参加しはじめて、あ、これは自分でもできるだろうなと。そんなときに『2022』を読んで非常におもしろかったので、これを皮切りに自分でもやってみよう、と思ったのがきっかけです。

まず、先月 Vol.0 を開催し、僕も含め 4 人が集まりました。やったことは、まず自己紹介。次に、この本を読んで感じたことをそれぞれ自由に話し、皆でシェアするのを 1 時間くらい。最後に、この本の末尾にもある、2022 年の世界をイメージして書き出す、というワークを 10 分ほど時間を取りやってみました。参加者は皆さん意識が高く、個人で勉強会を開催したり、ブログを執筆されたりする方が多かったので、この本で謳われている「エクス・フォメーション」というキーワードへの関心は高かったように思います。

結構好評だったのと、次があればぜひ参加したいという声があったので、続いて Vol.1 を開催し、今後 Vol.2 くらいまでやりたいと思っています。

木村私は、フォトリーディングのステップアップ講座であるリーディング・ファシリテーション講座を受講し、リーディング・ファシリテーターになりました。なぜ受講したかというと、あるとき『「週 4 時間」だけ働く』という本を読みまして...。

早川ティモシー・フェリスの...。

木村そうです。その本や、神田昌典さんが監訳した『Work 3.0―「新しい働き方」ができる人の時代』が出たときに、ふと「働き方についての読書会をしたい」と思ったんです。そのことを私のメンターに話したところ、「それはもうリーファシ(リーディングファシリテーター)になるしかないわね」と言われまして。その勢いで受講したというのがきっかけです。

その後、受講生 5 人と Photo the Earth というチームを組んで、働き方をテーマにした読書会をメンバーそれぞれが開催するところからスタートしました。

その 1 つが、『2022』『Work 3.0』『優しい会社』という働き方をテーマにした神田さん関係の本 3 冊を課題本とした読書会です。これまで 3 回ほど開催しましたが、私は全脳思考のファシリテーターでもあるので、単に本を読むだけでなく、読書会の中で全脳思考のチャートを描き、最終的にベイビーステップ(最初の一歩)まで踏んでもらう、という、実践につながる読書会を行っています。

もう 1 つメインで開催しているのが、全世界で話題のビジネス書で、先ごろ邦訳も出た『ビジネスモデル・ジェネレーション』(BMG)の読書会です。これには、早川さん、坂井さんにもメンバーとして参加いただいています。

読書会の魅力について

坂井その坂井でございます。僕もリーディング・ファシリテーターですが、リーファシになる前にビジネス書についての読書会に参加していて、それが結構おもしろかったんです。それで、自分が好きな本についてもっと語りたくなって、主催する側に回りたくなった。そんなとき、神田さんが読書会について書いているメルマガが届きまして、それがすごくうれしそうなメッセージだったんですね(笑)。未来というかビジョンがあって。それでリーファシ講座の受講を決めて、講座第 1 期生となりました。

『2022』については、「ラブ&ピースなマーケティング読書会」というタイトルで開催しました。『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』という本が僕はものすごく気に入っていて、これは絶対に読書会やろうと思っていたところに、ある人から『2022』と組み合わせたら?というアイディアをいただき、それで、この 2 冊をテーマにした読書会をやりました。

内容としては、その場でこの 2 つの本を読む。そして、僕の方で緩く方向づけしながら、みんなに自由に語ってもらいました。そして、参加者はやはり働き方といったテーマに関心があったので、ちょっとした実践も行ないました。ディスカッションのキーワードでセルフブランディングという言葉があったので、そのためのライティングの例としてセールスレターをみんなで書いてみたんです。これには皆さん満足いただけたようでした。

集まるのは、カフェや貸し会議室

早川「ラブ&ピースな~」は何人ぐらい集まったんですか?

坂井申し込みが 10 人くらいで、実際の出席は 7、8 人ぐらいかな。

早川場所はいつもどんなところでやっているんですか?

坂井考えるのが面倒なので、喫茶室ルノアールの貸し会議室でやっています。

木村あそこは気軽にできていいよね。

坂井無料でやらせてくれるカフェも結構ありますよね。知人は、スターバックスのゲートシティ大崎店を使ったと言っていました。

早川セミナールームのあるところですね。

木村でも、あそこ制限時間が 2 時間くらいだったよね。私の読書会だとちょっと足りない。

PR木村さんの読書会は参加者は何名くらいですか?

木村働き方の方は 10~15 人くらいです。BMG は結構多くて、20~30 人。このあいだ 35 人来て、へとへとになりました。

坂井その規模をファシリテーションすると、レベルが 1 段変わるんじゃないですか?

木村変わりますね。20 人超えると、読書会といえども相当のコミットメントを持って臨まないとしんどいです。

PRそのぐらいの人数になると、進行はどのように?

読書会の魅力について

木村BMG の場合は、本が 5 章に分かれているので、参加者を 5 チームに分けて各章を読んでもらうんです。そのあと、1 チームずつ読んだ章についてプレゼンテーションしてもらい、さぁ、みんなで 1 冊読んだよね、という構成です。

この本は洋書のころから読書会をしていましたが、邦訳が出版され、新たに読書会を開催した際、読む章を増やしました。その章については、BMG の読書会に 2 回以上参加している方に読んでもらうという試みもしました。リピーターが多いのもこの読書会の特徴です。

読み終えて語る?その場で読む?

早川このあいだ木村さんの読書会に参加して、軽く驚いたんですが、本を事前に読まずに会の中で読むじゃないですか。僕がこれまで参加していた読書会は、春樹会なんてまさにそうですけど、基本的に読んだ感想を語りに来るんですよね。だから、僕がやる場合も、「課題の本を読み切ってくること」を参加条件にしているんですが、坂井さんの会もその場で読むんですよね?

坂井そうですね。僕も、以前参加していた読書会は読み切ってから、というスタイルでした。でも、いま自分がやる場合は読まないで参加してもらうようにしています。なぜかというと、その場で読んで、その場の即興性というかシナジーを楽しんでもらいたいからなんです。家に帰ってじっくり読みこむことはいくらでもできるので、参加者には「この場でできることを楽しんで、この仲間と体験を作ってくださいね」と言っています。

早川なるほど。

木村その場で読む場合は、必ず目標設定というか、その本に対する自分なりの質問を用意してから読んでもらいます。だから、いきなり読むとしてもその質問に対する答えを見つけることで、内容はしっかり把握できる。さらには、見つかった答えが隣の人と全然違う、といった楽しさも感じられるわけです。

集客で問われる、マーケティングの力とSNSの活用

坂井その場のシナジーとは言っても、事前の準備ももちろんあります。実は、読書会の開催告知の文章(セールスレター)の段階から、こういう人のこういうところに響くように書いて、こういう人が集まるようにと設計しておくんです。例えば、想定読者を女性にして書いた場合と、30 代前半の男性にした場合では、集まる人はおそらく全然違う。

木村私、このあいだ 40 代の女性に向けたレターを書いたんですけど、それを掲載する web サイトに 20 代のかわいい女の子の写真を使ったら、男の人ばかり集まってしまった(笑)。

PR分かりやすいですね(笑)。ということは、セールスレターや web サイトの出来によって集客が全然違うということですね。

木村違いますね。最初のころは、読書会に知り合いしか来なかったんです。それが、昨年末あたりから、知らない人が申し込みをしてくるようになった。これは大きな変化です。その中で、「レターに共感しました」というコメントがすごく増えたので、レターの効果はやはりあると思います。

私の場合、読書会を企画するときはまずセールスレターを書きます。そのレターがそのまま読書会の企画書であるという状態にして、その上で告知をし、会議室を予約し、当日の目標設定もして、それからコンテンツを作りこむ。コンテンツはそれこそ当日の朝まで作っています。やはり、参加者がどういう人が分からなければ、内容も最終的には決められないので。

読書会の魅力について

早川僕の場合、集客は Facebook を使っての告知ですね。知り合いの参加者がそのまたその知り合いを連れてきてくれたりしますが、全く知らない人が申し込んでくれるというのはまだないですね。そのあたりは今後の課題です。ちゃんとセールスレターも書くんだ、というのは勉強になります。

坂井僕も Facebook 派ですけど、友達全員を招待したりはしないんです。売り込み色が強すぎるやり方は、あまり好きではないので。ですので、READ FOR ACTION の web サイトにリンクを載せてもらい、ピンときた人が来てくれれば、という感じでやっています。

木村初めての人が増えたのには、神田さんの影響も大きいと思います。『2022』の中で読書会のよさを紹介してくれて、『2022』のサイトでも読書会の告知などをしてくださったので。

同世代で高めあう読書会

宮本すみません、遅刻してしまって。宮本です。

PRいえいえ。改めまして、途中参加の宮本さんです。

宮本よろしくお願いします。宮本敦史と申します。年はいま 23 で...

一同若い!

PR早速ですが、宮本さんが開催している読書会について紹介いただけますか?

宮本はい。僕はいま、仲間と 3 人で 20 代限定の勉強会を主催しています。その中で読書会をやっていて、形式としては、参加者がそれぞれ好きな本を持ち寄って 5 分で紹介し、そのあと、ディスカッションでほかの人が持っている知識などを加えて共有していく、というようなことでやっています。

PR20 代限定ということですが、その理由は?

宮本そうですね、こういう言い方をしたらちょっと失礼かもしれないですけど、社会経験にとらわれていない人たちで集まった方が、柔軟な話ができるのではないかと思ったのがまず 1 つ。あとは、僕たち主催者がまだ若いので、それほどハンドリングができないというのも大きいです。やはり、20 代の中に 30 代、40 代の方がいると、その方の話を聞きがちになる傾向があると思うんですよ。実際、僕もほかの読書会に参加してみてそうだったので。なので、同世代だけで集まって、本の率直な感想や、会社に対してちょっと言えないこととかも言えたら、おもしろい会になるのではと思ったんです。

早川20 代といっても学生さんではなく、いわゆる若手サラリーマンが来る感じなんですか?

宮本そうですね。でも学生も来ますし、院生も来ます。このあいだ、大学生の方が「就職決まりました」という話をしたら、ちょうど来ていた同じ業界の方が「やめた方がいいよ」なんて言っていて(笑)。どうかと思いましたけど、『2022』にも書いてありますもんね。32 ページに。

坂井覚えてるんだ。

宮本印象に残ったものは覚えてますよ。32 ページの右側から書いてある。大手銀行に勤めるという息子に、あなたが賢い親ならこう言わなければいけない、バカなこと言うな、って(笑)。

知識を実践する場としての読書会運営

PR読書会をやろうと思ったきっかけは何だったんですか?

宮本先輩がやっていた読書会に参加したことですね。最初は、読書会ってなんか暗い、みたいなイメージがあったんですけど、参加してみて、ほかの方たちがここまで本を読んでいて、かつ読み方も自分とは全然違う、ということが分かり、そこに感動したんです。同時に、自分でもいろいろな本、例えば神田さんの『60 分間・企業ダントツ化プロジェクト』とかマーケティング系の本を読んでいくと、それを実践する場がほしくなったんですね。

坂井それすごく分かる!

宮本そうですよね。例えばいまだったらソーシャルメディアが発達していて、それについての本を読むと、やはり使ってみたくなる。Facebook とブログと読書会をどうやって連動させたらおもしろいか、と考えたりして。でもアイディアを持っていても、結局実践しないと分からない。だったら読書会で実践してみよう、というのがきっかけですね。

PRなるほど。読書会は、事前に読み終えた本について語り合う、というスタイルですか?

宮本そうですね。「同世代にすすめたい本」という条件で、参加者に好きな本を持ち寄ってもらい、それを紹介しあうという形をとっています。条件はそれだけですが、読書会の案内文の中に、「いまの現状に不満がある」とか、「友達がほしい」といった言葉を加えておりますので、そういうテーマの本を持ってこられる方が多いです。

参加者の中には、『2022』のようなベストセラー系の本を持ってくる人もいれば、成功哲学についての本を持ってくる人もいる。一方で、『星の王子様』を持ってきた人もいました。このタイプの本は初めてでしたが、話を聞いてみるとすごく肚落ちするところがありました。いわゆる成功法則系の本は、読めば分かる部分がほとんどですが、小説だと、そこから何をどう汲み取るか、といったことまで話し合うことができ、熱く、詩的でした。

PR参加者は何人くらい?

宮本毎回 10 人前後で、とりあえず毎週開催しています。

一同毎週?! すごい。

宮本参加者が誰も来ないときもありますけど、とにかく場としては毎週設けたいなと。これからどうなるか、やはり僕たちは危機感があるので、どうせ遊ぶなら読書会で遊ぶのもいいんじゃないかと思っています。

木村大学生も集まっているなら、私、BMG の関連でそこでやってもらいたい案件がある。いま、大学のグローバル化に際してのコンテンツの提案を、ビジネスモデル・ジェネレーションを使って考えているんだけど、それを学生の目線でやってもらいたいな。

宮本あ、いいですね。

読書会の魅力について

坂井グローバル化について最近読んだ本でおもしろかったのは、『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?』。グローバル化って、スマホみたいに一気に広がっていくパターンと、ローカルなロジックにこだわった結果広がっていくパターンとあって、大学の場合は実はローカルな部分がキーになる気がする。それを、大学生や、留学生の視点でブレストしたらおもしろいんじゃないかな。

宮本いいですよ、僕、学生時代サークルが ESS だったので、声かけられますし。

木村話が速い(笑)。

早川坂井さん企画魔だから。

坂井これいけますよ!

後編に続く

(2012 年 3 月 13 日 都内にて)

早川雅人(はやかわまさと)さん

早川雅人(はやかわ・まさと)さん

会社員(もうすぐフリーランスに)。大好きな村上春樹の作品を読む読書会に参加していた経験から、自らビジネス書の読書会を企画、開催している。
https://www.facebook.com/groups/148916838564417/

木村祥子(きむらさちこ)さん

木村祥子(きむら・さちこ)さん

メーカー勤務の傍ら、リーディング・ファシリテーターとして読書会を多数開催。話題のビジネスモデル創出ガイド『ビジネスモデル・ジェネレーション』の読書会は全国から開催依頼が来ている。
https://www.facebook.com/kimurasachiko
https://www.facebook.com/K.BusinessModelGeneraliStars

坂井尚行(さかいなおゆき)さん

坂井尚行(さかい・なおゆき)さん

リーディング・ファシリテーターとして、エッジの効いた独自のビジネス書読書会を開催。自らの職業である SE のコミュニティ作りも構想中。

宮本敦史(みやもとあつし)さん

宮本敦史(みやもと・あつし)さん

会社員。20 代のための勉強会&読書会を主催。同世代のための朝活、夜活などを精力的に企画している。